■ 5W1H                       
 正確でわかりやすい文章を書くために気を付けなくてはならないのが、
 5W1Hです。

 5W1Hとは、英語のWhy、What、Who、Where、Whenの、
 それぞれの頭文字をとった5WにHowの1Hを加えたものです。
 簡単に言うと、「誰が」「いつ」「どこで」「なにを」「なぜ」「どうやって」行ったか?
 を明確に相手に伝えましょうね。ということです。
 この5W1Hが不明瞭の場合、意味不明でわかりにくい文章になってしまいます。

 ビジネスで使用する実務文などでは、5W1Hに、
 いくらを意味するもう1つのH、「how much」がついて5W2Hとなることもあります。
 
●悪い例
 駅で自衛官募集のビラを配りたいと思います。

●改善例
 自衛隊入隊者を募るため松田駅の東口で、
 我々、広報官による自衛官募集のビラを配りを行いたいと思います。
 10日の朝、七時までに現地に集合してください。
 
 いかがでしょうか?
 悪い例の文章は、漠然とした内容でわかりにくいですが、
 改善例の方は5WIHに添って具体的に書いてあるので、わかりやすいですよね。


Who
 誰が
 
What
 何を
 
When
 いつ
 
Where
 どこで
 
Why
 なぜ(どんな目的で)
 
How
 どうやって 

 文章を書くときは、5W1Hを意識しましょう。


■ 文章を短くする                         
 わかりやすい文章を書く最大のコツは、文章を短くすることです。
 ゴチャゴチャした長い文章ほど、わかりにくい悪文はありません。

●悪い例
 速読術とはただ単に本が早く読めるだけでなく、右脳を開発し、創造力や集中力を鍛える画期的なトレーニング法と呼ばれており、小説家を目指している私は、これこそ自分を作家へと導く近道だと確信し、さっそく挑戦してみるべく、インターネットで速読術の教材を注文してみました。

 いかがでしょうか?
 文章が長すぎるために、まとまりがなく、
 筆者が何を言いたいか、すんなりと理解できないと思います(汗)。

●改善例
 速読術とは、ただ単に本が早く読めるだけの技術ではありません。
 右脳を開発し、創造力や集中力を鍛える画期的なトレーニング法なのです。
 小説家を目指してる私は、これこそ作家への近道だと確信しました。
 そこで、さっそく挑戦してみるべく、インターネットで速読の教材を注文したのです。

 どうでしょう?
 こちらの方が圧倒的にわかりやすいと思います。

 文章が長くなってしまったら、2つ以上に区切れないか考えてみましょう。

 もう1つ例を上げてみましょう。 日本国憲法の一部です。

●例2
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国との対等関係に立たとうする各国の責務であると信じる。

 これは意図的に書かれた悪文です。何を言いたいのかサッパリ分かりません(汗)。
 読者に対する配慮がゼロどころか、幻惑しようとさえしています。
 『われらは』と『いずれの国家も』と初めに相互関係不明な主語が2つ現れ、
 なんだこれはと戸惑っているうちに、『この法則に』と、また主語が現れます。
 一体何が文章の主役なのか、わけがわかりません。
 しかも、『政治道徳の法則は、普遍的なものであり』という文が、
 全体の中でどんな位置にあるのか意味不明です。
 これが、この文章をさらにややこしくするために一役買っています。
 トドメは『であると信じる』という、典型的責任逃れの曖昧表現。
 この文章を意味不明瞭にしています。
 これなら、読む人間の都合の良いように、どうとでも解釈できますね。

 僭越ですが、この文章をわかりやすく直してみましょう。

●改善例
 我らは、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない。
 この法則に従うことは、自国の主権を維持し、
 他国との対等関係に立たとうとする各国の責務である。

 余計な装飾を削り、文章を2つに分けてみました。 
 このように文章を短くすると、内容がわかりやすくなります。


■ 「が」を捨てる                         
 わかりやすい文章にするためには、文章を短くせねばなりません。
 そのためのコツとしてあげられるのが「が」を捨てるコトです。
 「が」には逆接の「が」と順接の「が」があります。
 逆接の「が」は、「しかし」「だが」などで区切り、2つのセンテンスにしてしまいましょう。

●悪い例
 文章上達のためには本を読むことも大切ですが、
 本だけ読んで、実際に書くことをおろそかにしていはいけません。

●改善例
 文章上達のためには本を読むことが大切です。
 しかし、本だけ読んで実際に書くことをおろそかにしてはいけません。

 順接の「が」の場合は、単に「が」を捨てて文章を2つに区切るだけで、
 十分意味が通ります。
 
●悪い例
 夢がアイディアの宝庫だという話は聞いていましたが、
 実際に夢を記録すると、その中から小説で使えるネタが見つかりますね。

●改善例
 夢がアイディアの宝庫だという話は聞いていました。
 実際に夢を記録すると、その中から小説で使えるネタが見つかりますね。

 このように「が」を捨てることで、文章を短くすることができます。
 文章をわかりやすくするためには、文章を短くすることが大切なのです。
 文章を書き上げた後でいったん見直し、不要な「が」を探して捨てるようにしましょう。